このブログへのアクセスありがとうございます。
この記事はグラフィックデザイナーで姓名判断研究家のネコヒートが書いています。
今回は、姓名判断における全81数の「吉凶成立の根拠」を調査してみました。
実は、これ「姓名判断」というものを初めて知った頃から気になっていたんです。
例えば、12画、14画は悪くて、なぜ13画が良いのか?とか…
2、4系統は悪いはずなのに、なぜ32画や24画は良いのか?とか…
どういう理由で、吉凶が付いているのか?もしくは付けられているのか、ずーっと気になっていたんですよね。
若かった頃、姓名判断の書籍をやたら買い漁っていたのも、コレが知りたかったことが大きな理由のひとつでした。
でも、どこにも書いてなかったんですね…。
その時はこう思ったものでした。
…なぜ誰も書かないんだろう?
いや、知ってて書かないのだろうか?
それとも、知らないから書けないのだろうか?
もし、知らなかったとして、知らないのを平気なまま商売をしている姿勢もプロとしてどうなのかなぁ…と思いつつ…と言うことは、やっぱり知っていて書かないのかなぁ…。
本当に、この件に関しては昔から不思議で不思議で仕方ありませんでした。
ところが、あるとき大正時代に刊行された古い姓名判断本をたまたま漁っていた時に、ついに見つけてしまったんです。
「そうだったのかっ!」
しかし、読んでみると、腑に落ちるような落ちないような…某有名占い師(故人です)が、姓名判断の数字の成立秘話に関して知っていたみたいで、まるで「数字教」みたい、と言っていた意味もわからなくもなかったり…。
とは言いつつも、これを記録に残しておくことには一定の意義もあるのではないでしょうか?
そして、これから姓名判断を始める若い人たちのためにも残しておくべきだろうと前向きに判断したわけです。
はっきり数字の吉凶の根拠を書いていたのは以下の2冊。
- 『姓名と運命』太乙道人 著 大正3年刊行
- 『姓名判断:姓名作法』萬物宣名學會 著 大正4年刊行
大正3年といえば西暦1914年なので、今から約110年前の古い古い本です。
その本に書かれている数字の根拠を見て、「え~、単なる数字遊びじゃん!」と思うのか?
はたまた「なるほど流石に奥深い!」と納得するのかは読者の皆さん次第。
姓名判断にご興味のある人たちの参考に、引き出しのひとつとしてお役に立つのでしたら幸いです。
それでは、オールド姓名判断の奥義の世界へご案内しましょう、
ドーゾッ!!
調査結果
はっきり数字の吉凶の根拠を書いていたのは以下の2冊であるのは、先に説明した通りです。
- 『姓名と運命』太乙道人 著 大正3年刊行
- 『姓名判断:姓名作法』萬物宣名學會 著 大正4年刊行
今回は全画数を掲載しているわけではありません。
「数字成立の根拠」が記載されている画数のみを取り上げており、かつ、全文掲載ではなく一部抜粋、画数における「吉凶の根拠となる解説のみ」を部分のみを掲載しております。
ちなみに、姓名判断の祖・熊崎健翁先生の見解は、実は、少々違うのです。
これら2冊の本を見つけた後に、(こちらも)たまたま見つけたのですが、「同じような…同じじゃ無いような」内容だったのです。
熊崎健翁先生の見解は、今現在も五聖閣が運営されているため勝手に書くわけにもいかず、今回のメモはあくまで姓名判断黎明期に存在した、二人の先生がご披露されたた見解、という感覚でお読みくださったらうれしい限りです。
なお、読みやすさを追求し、抜粋文の冒頭に記号を付けました。
『姓名と運命』からの抜粋文は、冒頭に(太)と付けました。
『姓名判断:姓名作法』からの抜粋文は、冒頭に(萬)と付いていますので、どちらの著作から抜粋したのかの目安にしていただけたらと思います。
それでは、オールド姓名判断の奥義をご自身の目でお確かめください。
第1~10画
まずは1画から10画です。
1画
(太)萬事萬物皆一を以て基本とする、故に何事にもよらず大吉上々の數である。
(萬)數の配列において零より數のはじまらんとする勢いをもつてゐる、大吉数である。
2画
(太)之を天地に譬ふるば陰陽剖判したるままの混沌たる形であるから、何事も凶運の兆とする。
(萬)これは元々の一が兩方に分かれたまゝの形である、のみならず、二點はもつて一の直線をさだめるのみで、その形象が、まだ定まらない。これを不定未成形の數とする、病氣、不具、短命等の惡運と判ずるのである。
3画
(太)日月星の三光、天地人の三才、皆三の數によって定まる、故に極上々の運數である。
(萬)これは、確定成形の數とする、故に、二の凶數をうけてるけれども、なほ元々の一を大成したものとして、これを成功の運をもつてるものと判ずる。
まずは何もない世界に点が誕生します。0が1になりました(縁起が良い!)。
その次に2つ目の点が誕生します。そうすることで、点が線に変わります。しかし、モノの形を表すには至っていません。これが、2画の「不定未成形の數とする…」の意味です。
さらに、3つ目の点が誕生します。すると、様々な形の三角形を描くことができますよね。3という数が現れることによって、この世ではじめて形を持つことができるようになるということで縁起の良い数字とされており、ゆえに3が「物の形を確定する数字」と呼ばれるに至ったわけです。
4画
(太)凶運數二つ重なったもので極めて凶い。
(萬)五行に具足せんがためには、一を不足し、三才に配合せんとすれば、一をあます、であるから、この四に不具のかたちを見るのである。
5画
(萬)これは、具足した數である、完全に發育した形をあらはす。
6画
(太)三の吉數を重ねて好い事は吉いが五の極盛を承けて幾分か降り坂の氣がある。
(萬)これは、三の數を重ねたものであるから、同じく吉運をもってゐる。
7画
(太)一三五七單獨の數は皆吉數としてあるが、五の極盛より六を経て七と來ては最早末運に属してあまり好くない、艱難辛苦の相伴ふ數である。
8画
(太)四の大凶を重ね、物極まれば必ず還るの理で、暗黒中に一道の曙光を認むるといふ數である。
9画
(萬)九は、窮迫を意味する。
第11~20画
まずは11画から20画です。
12
(太)三と四との相乗數で四の凶は三の吉を打消し、甚だよろしくない。
13
(太)十を拂って三と同じく大吉の數である。
14
(太)二と七と凶數の相乗であるから、何事も思ふまゝにならぬ。
15
(太)三五の相乗數、天道は三五にして還ると、月の團々として十分に盈ちたる如き運格である。
16
(太)凶數四の自乗で、凶より吉に還る氣運を以てゐる、大吉の運數である。
17
(太)單數であって、孤介獨立の氣があらはれ、人と不和合になることが多い、然し凶數ではない。
18
(太)三と六との相乗で、艱難辛苦はあるが、吉運の部に属す。
第21~30画
21画から30画です。
21
(萬)三七の相乗であって、その中に、三の成形確定の性と七の獨立奇峭の趣とが具はってゐるから、獨立奇峭を以てして、なほ確定成形の徳を得るのである。
まずは何もない世界に点が誕生します。0が1になりました(縁起が良い!)。
その次に2つ目の点が誕生します。そうすることで、点が線に変わります。
3つ目の点が誕生します。すると、様々な形の三角形を描くことができますよね。3という数意が現れることによって、この世ではじめて形を持つことができるようになる、ということで縁起の良い数字とされており、ゆえに3が「物の形を確定する数字」と呼ばれるに至ったわけです。
22
(太)二二と重なつて、甚だよろしくない。凶惡の運數である。
23
(萬)三や十三と大したかはりがない、純陽の素数で、その勢いは冲天のような趣きがある。
24
(太)三、八の相乗で稍よろしいはうの運數である。
(萬)四の範疇に属するから、凶兆をふくんでるけれども、三八の相乗數であるから、なほ吉兆がある。
25
(太)五の極盛の自乗であるから、吉數と云ひながら戒心するところがなければならぬ。
(萬)凶數四の自乗が吉で、吉數三の自乗が凶であるやうに吉數五の自乗も凶兆を有する
26
(太)十三の素數はよいが、之を二倍した二が凶兆を示してゐる。
27
(太)三の三乗數で、吉より凶に變じたものである。
(萬)これは、立法數で、中折の形をもってゐる。
28
(太)四七兩凶數の自乗で極めて凶い、もっとも険惡なる兆候を示してゐる。
(萬)四七相乗の數でその四も七も凶數であるから、この數に大なる凶兆をあらはすのみならず、人はこの數の中に遭難的の相を見る。
29
(萬)これは純陽の素数であって、無比の吉兆をあらはす。
30
(萬)凶數であるが、具象確定の吉數三を含むが故に、吉凶相半すといふことがいへるのである。
第31~40画
31画から40画です。
31
(萬)純陽の獨素数であるけれど、その中に、三及び一の兩數をふくむが故に、大吉の兆をそなふるものとする。
32
(太)四八の相乗、八の吉數の中に四の凶數を含む、故に吉凶相半する。
(萬)四八相乗の數であって、その中に、八の吉兆を見るけれども、四の凶數によって、大吉ではない。
33
(太)三の吉數と十一との相乗で無上の好運數である。
(萬)その數字のかたちがそうであるやうに、三をかさねて出來て居る、確定成形の勢の有様がしのばれる、朝日の東天に昇りゆくやうに、家運流行する吉中の大吉と判ぜられる。
35
(太)五七の相乗で、五の吉數も七の凶數に消されて頗る凶い。
(萬)五七相乗の數であるから、五といふ勢いも七の不徹底に消されてしまふ。
36
(太)六は極盛を過ぎた數で、其自乗であるから、動けば動くほど衰運に向かって挽回し難い數である。
(萬)六の自乗數である、故に六に備はるあらゆる吉兆のうらになる、短命にして大なる困難に遭逢する運をもってゐる。
37
(太)單獨の素数で、孤立の形があるが、甚だよろしい。
38
(太)十九の二倍であるが、十九ほど凶くはない。然し吉の部には入れられない。
(萬)その數字の中に、三及び八の相があらはれるから、決して大なる悲運にいらない、つまり平凡なる運である。
39
(太)三と十三との相乗で、好い上にも好い運數である。才略徳望身に備はつて、名を揚げ身を立てる上々吉の部に属する。
40
(萬)これは四及び十の相をみる數であるから、進むにあしく退くによろしき退嬰的の運と察せられる。
第41~50画
41画から50画です。
41
(萬)純陽獨素の數理を含有して吉兆をあらはす。
42
(太)六七の相乗で、多少の才能があつても、俗にうだつの上がらぬ形である。
44
(太)四四と重なつて甚だ凶い、破家亡國の兆がある。
(萬)これは惡數四を重ねたすがたであるから、大凶惡の兆がみえる。
45
(太)五九の相乗、吉凶相半する數であるが、辛苦艱難の結果志を達することもある。
(萬)これは、吉數であるけれども、その中に四を含み、のみならずその數字の和、及びその一の因數に九を有するから、五の吉兆はまさに消されんとする。
48
(萬)これは、六八相乗の數であるから、吉兆を示すのも勿論のこと何のうたがひもない。
49
(太)凶數七の自乗で、物極まりて始めに還るの象、吉運である。
(萬)七七相乗即ち凶數七の自乗だから、吉數に變ずる。
第51~60画
51画から60画です。
51
(萬)純陽の數であるし、その中には五、一及び三なる吉數を包含するので、吉數とするが、その中におのづからなる凶兆があらはれてゐるから、凶の分子の方が多い。
52
(萬)獨立奇峭の七の數理が見えるのであるがこの數理によって吉數とする。
54
(太)九の倍数であるから甚だ凶い。
(萬)これは六九相乗の數であるが、その吉兆の六はこの數字の和が九になるところよりして、かへつて凶兆となる。
57
(萬)これは、吉數ではあるが、その中に十二の數が見えるから、その吉は大吉ではない。
58
(萬)これは大吉數であるが、二十九を倍した數であるからその大吉は二度目に出來る吉祥であって、一度失敗してまた興るところに、その吉兆があらはれるのである。
まとめ
いかがだったでしょうか?
あなたは「え~、単なる数字遊びじゃん!」派でしたか?
反対に「なるほど流石に奥深い!」派でしたか?
まさか、そうやって数字の吉凶が決まっていたのか?という数字もありましたよね。
いずれにしても、100年以上昔の人の叡智によって完成した「姓名判断」という占いの「エッセンス」を少しは感じていただけたのではないでしょうか?
これから姓名判断を始める若い人が、かつて私自身が思ったように
「なんでそんな重要なこと誰も書いてないの?」とか…。
「吉凶成立の根拠を知らないくせにお金取って商売していいと思ってるの?」など、先輩方を疑うことがないように、へんな苦労をすることがないよう、今回掲載しました。
これから姓名判断を始める若い人たちと、これまでモヤモヤしながら、根拠不明の数字の吉凶を受け入れるしかなかった全国の姓名判断ファンの人たちの参考になったらうれしい限りです。
〈終〉